サラマンジェ ― 銀座の地下で出会う、研ぎ澄まされたフレンチ×ぎふジビエの世界
銀座・並木通りの地下、静かに灯る控えめな看板。その奥に広がるのは、
都会の喧騒をひと呼吸で断ち切るような、落ち着きと余裕に満ちた大人の隠れ家――
「SALLE À MANGER de Hisashi WAKISAKA(サラマンジェ)」。
フランス料理の本質を知り尽くした脇坂 尚シェフが創り出す皿は、
伝統を丁寧に守りながらも、時代の空気と独自の感性を織り込んだ端正な世界観で満ちています。
特に、岐阜県産シカ肉のジビエ料理は、“野性味”を決して野放しにせず、“品格”へと昇華させるその手腕は見事のひと言です。
■ 伝統を深め、モダンへと昇華させる ― 脇坂シェフの料理哲学
30年以上にわたりフレンチと向き合ってきた脇坂シェフ。
奇をてらわず、しかし古めかしさとは無縁。
熟練の火入れと香りの組み立てが共存する、その料理は“静かな迫力”を宿します。
岐阜の山で育った鹿肉を扱う際に最も大切にしているのは、
「素材の背景を、皿の上でどこまで表現できるか」。
ただ美味しいだけでは終わらせず、季節、産地、生産者の想い――
肉の向こう側にある“物語”ごと料理に封じ込めることで、
ひと口ごとに奥行きのある味わいが広がります。
鹿肉は丁寧な血抜きが行われた上質な個体のみを厳選し、
火入れの温度・休ませる時間・カットの方向にまで細心の注意を払う。
その積み重ねが、驚くほどしなやかで雑味のない旨味へとつながっています。
■ 名物「ニホンジカのグラン・ヴヌール」―― 技術と感性が重なる至高の一皿
サラマンジェで欠かせないのが、
リヨン地方の伝統を映した「岐阜県産ニホンジカのグラン・ヴヌール」。
黒胡椒を効かせたクラシックなソース・ポワブラードに、
蜂蜜のまろやかな甘さ、アカスグリの酸味が優雅に調和し、
一口目から深いコクと清らかな余韻が押し寄せます。
力強いジビエの旨味を、華やかに、そしてエレガントに仕立てる脇坂シェフらしい一皿。
ワインとの相性も抜群で、その瞬間ごとに新たな表情を見せてくれます。
★★★
サラマンジェ
SALLE À MANGER de
Hisashi WAKISAKA
☎︎ 03-6280-6481
中央区銀座7-2-8
TAKAYA-GINZA ビルB1F
日曜日・祝日の月曜日/不定休
